囲碁を覚えてしばらくたつと定石を覚えます。定石とは,黒,白双方が最善と思われる手を打ったものを,何人もの専門棋士の検討を経て認められた石の流れです。 そこで,強くなりたいと思う人たちの多くは定石を勉強して,覚えた定石を実際の対局で使ってみるわけです。 ところがたいていの場合,相手は自分の覚えた手順通りに打ってこない。 そのうち訳がわからなくなって,結局不利な結果に陥ってしまいます。 相手は最善ではない手を打ったのですから,本来こちらが有利になるはずなのですが,これはいったいどういうことなのでしょう。 定石の手順の一手一手には理由があります。その理解なくして,ただ定石の手順を暗記しているだけですから,相手の打った間違った手を咎(とが)めることができないのです。 これは,まさに解法のパターンを丸暗記する数学の勉強法(?)と同じです。そして,それが数学の勉強だと思い込んでいる人が世の中にたいへん多いのです。